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易経占い経営相談1:N子さん 52歳 女性 「未済=未完成・ミスマッチの時」

ここのところ、「易者の履歴書」ということで、筆者が易者などやっているわけを書いてきていますが、今回は最近ご相談をいただいた女性経営者の方のご相談をご紹介してみようと思います。
「易者の履歴書」は少し長くなりそうですので、じっくりと書いていくつもりです。

匿名お悩み相談:女性 52歳 N子さんのご相談内容

円安の影響をじかに受けて利益が出づらい食品小売り。スタッフ的には回るようになったけれど、このままじゃ・・・。新しい事業に乗り出してみるのはどうなのだろうか?近年、中小事業者に多く見られる深刻なお悩みです。

円安の影響をじかに受けて利益が出づらい飲食業・食品小売りの最前線。スタッフ的には回るようになったけれど、このままじゃ・・・。新しい事業に乗り出してみるのはどうなのだろうか?近年、中小事業者に多く見られる深刻なお悩みです。日本はどうなってしまうのでしょう?

「亡くなった父親が始めた店を引き継いで経営してきています。
引き継いだ直後はいろいろと大変で、店自体が回らなくなりそうなこともありました。
最近、スタッフもいい子たちが頑張ってくれるようになって、ようやく少しだけ安定はしてきています。
でも、コロナを乗り切ったかと思ったら、最近は原材料費や交通費、輸送費などがのきなみ高騰してきていて、昨年までと比べたら売り上げは上がってきているものの、なかなか利益が出ません。
なので、少し新しい事業展開を考えてみたほうがいいのかな・・・?なんて思っています。
今は観光地に隣接した商業施設で店をやっているんですけど、もともとの店でもなんかやったらどうだろう?とか、他の方面にも手を出してみようか?とか、いろんなことを考えます。
時期や状況的には、どんなものなのでしょうか?
コインを投げてみましたので、易者さんのほうで観てもらえないでしょうか?」

原材料の高騰は、スーパーでさえ顕著です。弁当や総菜の価格は軒並み上がってきていますが・・・原材料が高騰しているのですから、お店をやる方も大変です。

原材料の高騰は、スーパーでさえ顕著です。弁当や総菜の価格は軒並み上がってきていますが・・・原材料が高騰しているのですから、お店をやる方も大変です。

 

今回のN子さんは、これまでも事あるごとに易者が占ってきた方です。
総菜パンやお弁当などのお店をされています。
今回は、ご自分でコインを放った結果を易者に送ってきて依頼を受けました。

こういうお悩みの方は、今多いのではないでしょうか。
飲食業やお店をやってらっしゃる方は、コロナの時期はみなさん大変な思いをしてきています。
でも、このところの物価高がまた直撃しているのも飲食関係です。
コンビニなどでも、サンドイッチや弁当の値段が驚くほど上がってきていますし、これまで600円で食べに行っていたラーメン屋が、700円、800円とどんどん値上げしてきているのを身近に目にします。

円安の影響は、飲食店でも小売店でも原価を引き上げ、多くのものが値上がりしてきています。

円安の影響は、飲食店でも小売店でも原価を引き上げ、多くのものが値上がりしてきています。しかし、飲食店や小売店では値上げするにせよ、顧客を引き留めるために利益を削ってやっているところも多いのです。

 

日本は食料も7割以上を輸入に頼っている国です。
続く円安は政府の方針で金利を低く抑え続けてきていることが主な原因なのですけれど、輸出企業やグローバル企業にとってはいいのかもしれませんが、国内で地道な商売をやってきている人たちにとっては、深刻な死活問題となってきています。
原油価格が高騰している影響は、ガソリン代や光熱費の急上昇につながりますから、すべてが値上がりしていきます。
これは戦争の影響というよりも、産油国の減産継続の影響のほうが大きいでしょう。
でも、飲食業や小売業にとっては、100円で仕入れていたものの価格が150円になったから、では300円で売っていたものを450円にしましょう、というわけにはいかないのです。
なぜならば、日本の所得はさほど伸びていない場合がほとんどです。
人口も減少してきているので、お客自体がなかなか新規で取れませんし、また日本の付加価値消費を支えてきた団塊世代までのご年配の方が次第に亡くなったり、お買い物ができなくなってきているわけなので、ただでさえお客様単価が上げられません。
世代が若くなるほど、お金に余裕がないのが現代日本であるからです。
結局は、お客さんを維持するためには極力価格は上げたくないのが実情。
・・・そうすると、利益を削ってやるしか方法がありません。

本業がなかなか利益が取れない、となれば、生き残っていくためには新たな方向性を考えなくては、というのはもっともなところでもあります。
よろしいでしょう。
今現在がどうなっているのか?
今考えていることの見通しはどうか?
易で観てみるとしましょう!

実は、自分でも易の結果は見れる!

N子さんは、コインを六回放った結果を易者に送ってきました。
出た結果は、
1)表裏裏→2)表表裏→3)表裏裏→4)表表裏→5)表裏裏→6)表表裏
とありました。

さて、易経記号の復習です。
易経記号は四つのみ。
易経記号「爻(こう)」は、
・表表裏=陽=記号は「―――」
・表裏裏=陰=記号は「― ―」
・表表表=老陰(強い陰)=記号は「 ✕ 」
・裏裏裏=老陽(強い陽)=記号は「 □ 」
これだけです。

易経記号「爻(こう)」は、四つだけです。覚えてしまえば、自分で占いを行えるようになります。

易経記号「爻(こう)」は、四つだけです。覚えてしまえば、自分で占いを行えるようになります。

 

出た順に、下から積み上げていけば、易の表象である「卦(か)」が得られるのでしたね。
ただし、老陰(強い陰)=記号は「 ✕ 」と老陽(強い陽)=記号は「 □ 」は、二個以上出た場合は、占いはやり直し、というのが易者流の占いのルールでした。

 

ここで問題。
N子さんの出したコインの結果を、易経記号で書いて、「卦(か)」を出してみましょう!

 

答え。
N子さんの出したコインの結果は、易経記号で表すと、


6)上爻 ――――――――― 
5)五爻 ―――   ――― 
4)四爻 ――――――――― 
3)三爻 ―――   ――― 
2)二爻 ――――――――― 
1)初爻 ―――   ――― 

となります。
変爻(老陽、老陰)は一つも出ておりませんから、これで占いは成立します!

実は、ここまで出せれば、自分でも占いの結果を見てみることはできます。
易者が作成した、「64卦照合表」を見てください。

易者作成の64卦照合表から、自分の出した卦(か)が、どういう意味を持つのかを観ることができます。

易者作成の64卦照合表から、自分の出した卦(か)が、どういう意味を持つのかを観ることができます。

taikyoku2023.blogspot.com

カンのいい人は、お分かりかと思いますが、コインを投げて出た「卦(か)」は、上の三つの「爻(こう)」を「上卦」といい、下の三つを「下卦」といいます。
ここでは、上卦は、
上爻 ――――――――― 
五爻 ―――   ――― 
四爻 ――――――――― 
で、「離(り)」です。

上卦は「離」です。

上卦は「離」です。

下卦は、
三爻 ―――   ――― 
二爻 ――――――――― 
初爻 ―――   ――― 
で、「坎(かん)」です。

照合表で、これが合わさる場所を探せば・・・

下卦は「坎」、上卦「離」と合わさるのは・・・「未済」です。ここをクリックすれば、解説ページに出ます。

下卦は「坎」、上卦「離」と合わさるのは・・・「未済」です。ここをクリックすれば、解説ページに出ます。

未済(びせい)です!

この位置をクリックすれば、易者作成の解説へとリンクが飛ぶように作っているわけです。

対応する卦をクリックすれば、解説ページが出ます!

対応する卦をクリックすれば、解説ページが出ます!

実は、易者は、このブログを通じて、みなさんがご自分で自分自身と易を通じて対話する、ということが可能になることを目的の一つとしているのです。
解説はそのために、極力現代の感覚で書いたつもりなのですけれど、それでもご意見をうかがうと、「えー、むずかしいよ!」と言われます・・・。
なので、どのように考えたらいいのか?
ということを、知っていただくためにこういう匿名の相談を掲示していくのは必要だと考えているのですね。
では、今回のN子さんのケース、詳しく解説していくとしましょう。


未済(びせい)=未完成、ミスマッチな状況

未済(びせい)とは、未完成やミスマッチを意味します。しかし、完成よりも未来的で可能性ある状況でもあります。

未済(びせい)とは、未完成やミスマッチを意味します。しかし、完成よりも未来的で可能性ある状況でもあります。

N子さんが出した卦(か)は、「未済(びせい)=未完成、ミスマッチな状況」というものです。
どういうことか、解説します。
まず、易で占って出る「卦(か)」というのは、六個の「爻(こう)」が積み重なってできていますが、下から積み上げるので、下から順に初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と名前が付けられます。
そして、このそれぞれの位置には、・・・入るにふさわしい陰、陽が決まっています!
このように決まっているのです。

<原則として陰陽が入るべき場所>

上爻→陰が入る場所
五爻→陽が入る場所
四爻→陰が入る場所
三爻→陽が入る場所
二爻→陰が入る場所
初爻→陽が入る場所

では、N子さんが出した、「未済(びせい)」の場合は、この原則からするとどうなのでしょう?

<未済(びせい)の場合>
6)上爻 陽→不正!
5)五爻 陰→不正!
4)四爻 陽→不正!
3)三爻 陰→不正!
2)二爻 陽→不正!
1)初爻 陰→不正!

なんと、陰、陽が入るべき場所が、すべて「不正」、正しくないではありませんか!
初爻から上爻までの位置は、実を言うと「社会的な立場」を表しており、陰と陽はその立場にいる者の「性格」を意味します。
陰=受動的性格、陽=積極的性格といった感じです。
たとえば、会社の役職で言ったら、こんな感じです。
なんとなく、わかるでしょうか?

<各爻(こう)の位置と役職、立場>

6)上爻 相談役(陰)
5)五爻 社長(陽)
4)四爻 役員(陰)
3)三爻 課長(陽)
2)二爻 係長(陰)
1)初爻 新入社員(陽)

陰、陽は、性格です。
それぞれの役職には、望ましい性格というものがありますよね?
積極的に最前線に立つべき立場があれば、控えめに調整やバックアップをすべき立場もいて、それで初めて会社とか組織というものはうまく回っていくものなのです。
新人は積極果敢(陽)に行動していかねばなりませんが、係長は、新人たちをうまく動かして仕事を覚えさせなければなりません。
自分が積極的(陽)に全部やってしまったら、新人さんは仕事が覚えられなくなってしまいますよね?だから、二爻の位置は控えめに自分では動かず調整する「陰」が望ましい役職というわけです。
課長は、責任権限を与えられ、外交的に商談でもプレゼンでも会社の実戦部隊の長、会社の「顔」として積極的に立ちまわらなければなりませんから、「陽」が望ましいわけです。
では役員は?そうした課長たちが仕事をしやすいように、裏で環境を整えて、社長とも調整を取らねばなりません。
だから、「陰」が望ましいわけです。

未済(びせい)の場合、字の意味は、「未だ済まず」、すなわち「いまだに未完成で完成しない」ですが、つまりは会社として考えた場合は、
・それぞれの部署の配置にミスマッチな人が配置されている
・あるいは各パートにいる人がその仕事を本来やったことがなくて不案内、慣れておらず、ぎくしゃくしている
・社長を含めて皆が現在修行中
というような状況を意味しています。

 

N子さんの場合

未済(びせい)を象徴する生物として、経験が少ない、若い子狐が登場してきます。冒険をして川を渡ろうとチャレンジするのですが・・・

未済(びせい)を象徴する生物として、経験が少ない、若い子狐が登場してきます。冒険をして川を渡ろうとチャレンジするのですが・・・

今回、N子さんの出したものは、老陽、老陰はひとつもありませんので、占断は、卦(か)全体の説明である「卦辞(かじ)」に表されます。

<卦辞(象徴の大枠解説)>
「未済は、物事は思うようにいくようになる。まだ若い子狐が川をほとんど渡ろうとして、最後にその尻尾を濡らしてしまい渡り切れない。これだといいことはない。(が、この経験を生かせば、次は渡り切るだろう。)」

 

※易者オリジナル解説より引用

未済(びせい)の場合象徴として出てくるのは、「子狐(こぎつね)」です。
経験が足らない、向こう見ずな若さを表しています。
「川を渡る」というのは、なにかに挑戦するとか、新しい冒険に手を出す、といったことを象徴し、易では頻繁に出てきます。
N子さんは、今現在、なかなか利益が出ない状況に直面し、なにか他の方向性を考えるべきではないのだろうか?と、経営者として考え始めています。
それが「川を渡ろうとする」という表象として表されているわけですが・・・
渡るのが、まだまだ未熟な「子狐」です。
これは、会社として見た場合、経験も力もまだまだの「子狐」のような状況を表しています。
「尻尾を濡らす」というのは、狐は川を渡るとき、尻尾が濡れないように高く上げて渡るのですが、その尻尾が最後濡れるということは、・・・溺れてしまうよ、ということ。

子狐は、川を渡ろうとして溺れてしまうだろう・・・が、しかし。未来的な暗示があるのはどうしてでしょう?

子狐は、川を渡ろうとして溺れてしまうだろう・・・が、しかし。未来的な暗示があるのはどうしてでしょう?

 

どうやら、今の段階で新しい方向性を進めたとしても・・・今の時点では、N子さんが考えることは、失敗してしまうよ、と易は言っています。
それだと、ろくなことになりませんよ、と。
易での判断としては、今はまだ新しいことに手を出す時期ではありません。
ただし、この卦辞は、そうであるにもかかわらず、「物事は思うようにいくようになる」とも書かれていて、見通しとしては決して暗いわけでもないのです。
どう考えたらいいのでしょうか?


N子さんへの提言

未経験者が多い中で、N子さんのお店は、ようやく軌道に乗ってきました。

未経験者が多い中で、N子さんのお店は、苦労しながらようやく軌道に乗ってきました。これは素晴らしいことです。

さて、この場を借りてN子さんにお伝えする事にしたいと思いますが、まず、N子さんのお店は、現在、ようやく各パートに人が入って回るようになってきています。
今の総菜パンやお弁当のお店を始められたころは、大変いろいろとご苦労なさっておられました。
易者はそういう経緯もある程度知っています。
それが、ようやく運営上は回るようになってきています。
そのこと自体は大変望ましいことです。
しかしながら、現在の状況は「未済(びせい)」、これまでの状況から易者が観るに、まだまだ発展途上の段階です。
ベテランさんがいないのです。
経験が不足するスタッフさんたちが、試行錯誤をしながら頑張って回しています。
それが、「すべての爻(こう)において、陰と陽のあるべき配置がさかさまになっている」というこの卦(か)に表されています。
会社として見た場合、まだまだ運営基盤がぜい弱です。
皆が、まだまだ学んでいかなければならないことがたくさんあります。
だから、仮に何か今、新しい方向性に手を出そうとしても、「子狐が川を渡ろうとして溺れてしまうよ」ということとなります。
結論的には、今の段階ではN子さんが考える方向性は「不可」です。
新しいことに手を出しでもすれば、「溺れる」ような結末となってしまうでしょう。

未完成だから、可能性もまた限りなくあるものです。完成されてしまえば、そこに発展はありません。

未完成だから、可能性もまた限りなくあるものです。完成されてしまえば、そこに発展はありません。

しかし、未済(びせい)に示される未完成、ミスマッチの状況というのは、実は未来に対しては非常に多くの可能性に富んでいます。
それは、ベテランさんが不在だから、みんなが試行錯誤しながら、仕事を覚え、開発していく、という貴重な「経験」を今まさにしているからです。
ベテランさんがいないから、新しいことを創意工夫します。
皆が力を合わせて頑張ろうとします。
これは、新しい無限の可能性があることを意味します。

だいたい、「完成された企業」の場合は、こうした要素が欠けています。
完成されたシステムの中でやっていくことは容易で楽です。
すでに決まったことを決められた通りにやればいいのですから。
だから、比較的楽に、安定した収入も得られます。
しかし、「自分でいろいろと考えて実行する」という創造的な仕事をしていく訓練がなかなかできません。
そういう意味では、N子さんのお店は、大きな実験室のようなもの。
いろんな商品を開発していくこともできるし、スタッフたちは「自分で考える」という大事な訓練を日々しているわけですし、固定観念でものを言うベテランがおらず未経験者が多いから、いろんなことを試すことができるのです。
これがあと二年、三年と経ったあかつきには、高い能力のスタッフたちが高いレベルの仕事をしていけるようになる環境と条件がそろっています。
だから、「物事は思うようにいくようになる」との判断が出てくるのです。

まずは、既存の枠組みの中で収益を高める方法を考えていくことが大事ですね。そして子狐さんたちを成長させなければ。

まずは、既存の枠組みの中で収益を高める方法を考えていくことが大事ですね。そして子狐さんたちを成長させなければ。

まずは、新規事業に乗り出す前に、現在の会社やお店の枠の中で、収益を高める方法を模索するほうがよいでしょう。
若い「子狐」さんたちに、アイデアを出させ、責任を持たせ、実行していく。
失敗するかもしれませんが、それは現在の枠の中でならば修正しながら皆が学べばよいのです。
そうしていく中で、「子狐」たちを、「大人の狐」にしていくのです。
それが新規事業も始める段階になったときに、今現在の子狐さんたちの試行錯誤の経験が生きてくるはずです。
まずは、足場をしっかり固めることを大事にしたらいいでしょう。


ミスマッチだから適性がわかってくる

この卦(か)のひと言アドバイス、「象」には、こうあります。

・・・そこで易のアドバイスとしては、この未済の時においては、物事の性質をよくよく観察して本質を見抜き、性質ごとに分類して整理していきなさい、と言います。
すべてがミスマッチしているということは、それで不都合が発生するから、それぞれの正しい性質がわかってくるという重大な時でもあります。
人事や相手先についても、ミスマッチからその本質がわかるならば、一度は失敗したとしても、次回には失敗の教訓を生かしてよりうまくやれるものです。
未済=ミスマッチとは、天に与えられた実験室のようなものです。
うまくいかないから、人は考えます。
この偉大なる実験の時を生かして、前例のない未来を切り開いていきましょう。

 

※易者オリジナル解説より引用

実は、「ミスマッチ」で手探りの現状というのは、適性が分かってくるいい機会でもあるのですね。
スタッフさんたちの個性や能力特性は、経験不足でミスマッチだからこそ、よくわかってくるのです。
ちなみに、今のポジションが、原則的に求められる性質とミスマッチすること自体は、必ずしも悪いことでもありません。
代表のN子さんからして、本来は自分から積極果敢に新商品を開発したりしていく「陽」であるべき五爻の社長さんのポジションに、調整型の「陰」として存在しています。
これは原則で言えばミスマッチです。
しかし、そういう経営者は、下の人たちに任せることでいいアイデアを出させたり、思い切って開発や運営の権限を与えてやれば、人を伸ばすことができる経営者ともなり得ます。

「ミスマッチ」な状況というのは、試行錯誤が発揮される偉大な「実験」の場でもあります。

「ミスマッチ」な状況というのは、試行錯誤が発揮される偉大な「実験」の場でもあります。

ミスマッチを、固定観念で考えてはなりません。
易者は思うのですが、陰の人が無理して陽になる必要はありません。
陽の人が無理して陰になる必要もないのです。
ただ、人事を司るN子さんの立場に求められることは、観察していって陽の人には、陽のポジションを与えてやること、陰の人には陰に相応しいポジションを与えてあげることです。
今現在の「実験室」では、それをよく観察していくのもN子さんの重要な役割です。
それができるならば、「陰」もまた、有能な経営者になるのです。

ミスマッチの中で、スタッフたちの「適正」を見極めて、生かしていくことが、そのまま明日への準備につながります!

ミスマッチの中で、スタッフたちの「適正」を見極めて、生かしていくことが、そのまま明日への準備につながります!

この卦(か)では、いろいろとミスマッチ、発展途上であるにもかかわらず、「物事は思うようにいくようになる」との判断は出ています。
しかし、そういう見通しというのは、自由意思により、「そうなるように実際に行動」して、それで初めて「物事は思うようにいくように」なります。
焦らず、足元を固めて、固定観念にしばられず、着実に。

着実に足元から鍛えていきましょう。それが、新しい方向性を目指すにしろ一番の近道となるでしょう。

着実に足元から鍛えていきましょう。それが、新しい方向性を目指すにしろ一番の近道となるでしょう。



それが、易が目的とする人間の在り方、「中庸(ちゅうよう)」です。
まだまだ大変ですけれど、未来的には明るい見通しは十分にあります。
だからN子さん、頑張ってください!


閑話休題・・・円安について

円安は原材料を輸入に頼る日本では、原材料の高騰で飲食業や小売業は厳しい運営を余儀なくされています。

円安は原材料を輸入に頼る日本では、原材料の高騰で飲食業や小売業は厳しい運営を余儀なくされています。

冒頭でも触れましたけれど、アベノミクスの一環として始められた量的緩和は、円の価値を大きく下げ、13年くらい前と比較して、ドルに対して円の価値は約半分になりました。
国際結婚者である易者の感覚では、かつては台湾元1元に対して、0.28円くらいであったのが、今では0.45円くらいですから、アジア通貨に対しても円の価値は半分に近づこうとしています。
こうした政策は、輸出企業にはメリットはあるでしょうし、これにともなう物価上昇はインフレを起こしますから、債務を実質的に減らすにはメリットでしょう。
しかし、高度経済成長期と違うのは、当時は輸出品の部品も多くが国内で製造され、また輸出産業も家電も好調で全体的に稼いでいました。
今はそうではありません。

今後の10年を考えた場合、N子さんが新しい方向性を探そうとすること自体は、当然のことだと思われます。

今後の10年を考えた場合、N子さんが新しい方向性を探そうとすること自体は、当然のことだと思われます。

 

下請け部品の多くを海外生産するようになり、パソコンなどのIT製品も多くが海外でのOEM生産です。
現在の円安は、一部の大企業や国際金融の立場からすればいいのかもしれませんが、国内だけで勝負しなければならない業種で見た場合、N子さんのような悩みを抱える方は非常に多いのです。
かといって、金利を上げれば、融資を受けた場合の利息も上がりますから、国内の中小企業、中でも飲食業、生鮮品小売りは利益がなかなか出ない中では融資を受けることもままならなくなりますし、ローンも組みづらくなってしまいます。
小売業はいい見通しがありません。
人口も減少の一途をたどっているから、このままいけば近未来には飲食関係を含め小売り業全体がピンチを迎えるのです。

少子高齢化の流れは、小売業や飲食業を根本から脅かす要因ともなっています。

少子高齢化の流れは、小売業や飲食業を根本から脅かす要因ともなっています。

長期的に見れば、なにか新しい方面を開拓していかねばならないのではないか・・・?というN子さんの考え方自体は経営者としては正しいのだと思います。
しかしまあ、今は我慢です。
ベテランがいない中で、まずは収益を上げれるようにスタッフさんたちの能力開発をしていくことが先決ですね。
それができるようになれば、本当の「能力」を持った集団ができるからです。日本の場合は、多くの分野で、「未完成での冒険」が出来なくなってしまっています。
ある意味、日本は「完成」による長い停滞の中にいるのであって、これは小手先でアベノミクスのようなことをして円を下げて量的緩和を行っても、一つも改善していないように見えます。

日本は、「完成」されて発展の余地がないのでしょうか?未来の鍵を握っているのは、若者たちです。

日本は、「完成」されて発展の余地がないのでしょうか?未来の鍵を握っているのは、若者たちです。

 

個々の日本人の能力は、この30年の間に大変低下してきているようにも見えるのです。
「完成」された環境に慣れ過ぎてしまっているように見えるのですよね。
こういう時代であるからこそ、「ミスマッチ」のなかで試行錯誤できる環境というのは、存外重要だと思われます。
高い付加価値というのは、完成された企業にいてもなかなか新規開発はできないからです。
特に日本はその傾向はあると思います。
ミスマッチの試行錯誤の経験の中からでなければ、本当の付加価値を創造する人間は生まれてこないのかもしれないのです。

とまあ、以上は一介の易者のたわごととしてお読みくださいね。


今回の卦(か)=「未済(びせい)」について

今回の卦(か)、「未済(びせい)」に関しての易者の解説については、リンクを貼っておきます。

taikyoku2023.blogspot.com


ご関心ある方はご覧になってみてください。

また、易経占いの基本作業をまとめたものは、こちらにリンクを貼っておきましょう。

taikyoku2023.blogspot.com

それではまた次回!